教育移住を決意した理由――海外での教育がもたらす可能性

教育移住を決意した理由――海外での教育がもたらす可能性
教育移住をしようと思ったきっかけについてMさん(お母様)にお話を伺いました。
Q: 教育移住をしようと思ったきっかけは何ですか?
A:「以前、主人の海外赴任で娘をインターナショナルスクールに通わせていました。日本に戻ってきてから、娘の生活や勉強の様子を見ていると、このまま日本の教育カリキュラムで過ごすよりも、海外に行った方が娘の良さを引き出せるのではないかと思ったのがきっかけです。」
タイを選んだ理由――家族の思いと過去の経験
Q: タイを選んだのはなぜですか?
A:「アメリカやオーストラリアを希望していましたが、金銭的な面や、遠く離れた場所に住むことへの不安がありました。何かあった時に家族が心配だなと思ったので、以前家族で旅行した時に良い印象を持っていたタイのバンコクのインターナショナルスクールに通わせることに決めました。」
教育移住の実際――タイでの2年間の経験
Q: 実際に教育移住をしてみて、いかがでしたか?
A:「気候も暖かく、子どもにとって優しい人たちに囲まれ、2年間という短い期間でしたが楽しく過ごせました。ただ、予想以上に物価が高く、インターナショナルスクールの授業料の値上がりなどで出費がかさんだ印象もあります。子どもは学校に慣れて楽しんで通っていましたが、授業料の負担は大きく、学費の安いインターナショナルスクールへの転校も常に考えていたように思います。学校のスポーツキャンプや宿泊学習で近隣国やタイ国内のリゾート地に気軽に行けたのは、とても良かったです。」
お子様の学校生活とカリキュラムについて
Q: お子様の学校生活はいかがでしたか?カリキュラムについても教えてください。
A:「明るくフレンドリーな先生に囲まれて、日本にいるときよりも伸び伸びと生活できたのは良かったです。ただ、10歳から12歳という年齢のせいか、お友達関係では少し苦労が多かったように思います。最初の1年間は英語力も低かったので、日本人のお友達と一緒にいることが多かったです。その時は思春期の女の子特有のトラブルなどもありました。母親として娘が辛い目に遭っているのを間近で目撃した時は本当に辛くて、すぐにでも日本に帰ろうかと思いました。2年目には本人も英語力に自信がつき、日本人以外の女の子とも仲良くなり、気が合いそうなお友達を選んで楽しそうに過ごしていました。英語に少し自信がついた2年目は放課後はアクティビティにも参加し、ドラマ(演劇)の授業では舞台で堂々と演技して表彰されたりと、思い出深い体験もできました。日本ではなかなか出来ない体験だったと感謝しています。」
タイ、バンコクでのインターナショナルスクールでの二年間のお子様の変化
Q: タイ、バンコクでのインターナショナルスクールでの二年間でお子様にはどのような変化がありましたか?
A:日本で過ごしていた頃は、新しいことへの挑戦に対して少し怖がっている様子が見られました。「出来なかったら笑われるかもしれない」「失敗したら恥ずかしい」といった気持ちが強かったようです。しかし、こちらに来てからは、周りのお友達が助けてくれるおかげで「失敗しても大丈夫!」というマインドに変わりました。最初は上手くできなくても当たり前で、誰もそんな自分を笑うことはないと感じるようになり、以前よりも積極性が見られるようになりました。
また、日本の道徳の授業のようなWELL-BEINGの授業では、幸せに生きるための心の育て方や、自分の悩みを通じて解決できること、できないことなど、心を健やかに保つための方法を学んでいます。これも大きな変化に影響しているかもしれません。
英語力向上への取り組みと教育方針
Q: 英語力向上のためにどのような取り組みをされましたか?
A:「教育移住でしたので英語に関してはできるだけ早く上達してほしいと思い、毎日1時間、学校から帰った後に2人で英語の勉強や宿題をしました。疲れて嫌がる日もありましたが、私は少し強い意志を持って取り組むようにしました。日本の勉強のことも気になりましたが、まずは英語を優先にしようと考え、日本の勉強に関しては特に何もしませんでした。二人三脚で大変な思いもしましたが、英語に集中したかいもあって、2年目の成績はオールAでした。(日本の学校の成績は5段階評価の3ばかりでした。)」
憧れの有名中学への編入準備と努力
Q: 皆が憧れる有名な中学への編入について少し教えてください。
A:「2年間を過ぎた頃、日本に帰国するタイミングだと思い、帰国子女枠で編入できそうな学校を調べていました。その中で、娘が一番行きたいと思ったのが、憧れのT中学校でした。入学試験の3ヶ月前からオンラインで家庭教師をつけ、小論文の書き方やインタビューでの受け答えの仕方などを徹底的に練習しました。試験の前の2ヶ月間は夏休みを利用して帰国していたので、親子二人三脚で1日6時間ぐらい毎日、ありとあらゆる質問に対応できるように練習し、どんなタイトルでも小論文が書けるように対策しました。この点においては、私が帰国子女で英語が得意だったことも、かなり役に立ったと思います。」
合格の秘訣とお子様の成長
Q: どうして合格できたと思いますか?
A:「2年間、毎日1時間親子で勉強しましたが、本人はそこまでやる気がなく、喧嘩になることも多かったです。しかし、この中学に入りたい!という強い気持ちが本人の中に芽生え、その後は私が促さなくても自主的に勉強に取り組むようになりました。
毎日6〜7時間勉強していても、もっとやった方がいいかな、これくらいで大丈夫かな?と本人の口から出るくらいやる気が出てきて、親としてもびっくりしました。バンコクのインターナショナルスクールの校風やカリキュラムが本人にとても合っていたので、2年目の成績が良かったのも編入試験の審査の時の強みになったのかなと思います。
ただ、日本にいる時は本当に勉強が好きではなく、成績もすべて3の普通の女の子でした。今回の合格は家族でとても喜んでいますし、現在娘は毎日楽しく憧れの学校に通っています。主人と息子を日本に残しての教育移住でしたので、私自身は息子の大事な時期に近くにいれないストレスなどで苦しいこともありましたが、思い切って行って良かったです。」
優しい友人に囲まれた楽しい日々
インタビューを終えて
インタビューを通して感じたのは、お子様を大切に思い、お子様の意思を尊重しながらサポートされているお母様の強さと優しさでした。お母様ご自身が帰国子女で英語が堪能であるため、親子二人三脚で2年間の教育移住生活を英語力向上を目指しつつ楽しく過ごされたようでした。そして、最終的には中学編入を目指して頑張り、見事に実現された姿には感動しました。
お子様が毎日を楽しみながら成長できるように、終始、丁寧で温かいサポートをしている印象を受け、私もこんな母親になりたいと強く感じたインタビューでした。
教育移住を検討中のご家庭へ
タイでの教育移住を検討されるご家庭が増えています。気候が温暖で、タイ人の優しい人柄や美味しい料理、日本人にとっても住みやすい環境が大きな魅力です。しかし、楽園のようなイメージだけでなく、渋滞、交通事故、大気汚染、物価の上昇といったマイナス面もあります。
特に、大気汚染は深刻な問題です。この時期の汚染物質により健康に支障をきたし、すぐに帰国を余儀なくされたご家族もいらっしゃいました。また、タイは英語が公用語ではないため、英語の上達には本人のやる気と家族のサポートが欠かせません。お子様をインターナショナルスクールに通わせると、予想外の出費も実はたくさんあります。
タイでの生活の素晴らしい面を想像し夢をふくらませながら、きちんと現実的な課題もしっかりと理解した上で移住を進めていただくと良いかもしれません。
私たちは、このような様々な視点から皆様に最適なアドバイスを提供しています。不安な点や疑問があれば、ぜひカウンセリングに参加し相談してください。信頼できる情報と親身なサポートで、安心して新しい一歩を踏み出していただけます。